特集 プレシジョン・メディシン時代における腫瘍循環器学の重要性
序文
佐瀬 一洋
1
1順天堂大学大学院医学研究科臨床薬理学
pp.504-505
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200519
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超高齢社会の到来に伴い,がんの罹患者が増加しつつあるが,いわゆるプレシジョン・メディシンの時代を迎えて,がんの予防・診断・治療技術も急速な発展を遂げており,今後がんサバイバーの数が急増すると予想されている.
循環器領域では,以前からアントラサイクリン系薬剤の心毒性や放射線治療に伴う心血管障害の存在は知られていた.しかしながら,最近登場した分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などでは,いわゆるがん治療関連心血管疾患(CTRCD)として,心不全,動脈硬化症,心臓弁膜症,高血圧症,不整脈,血栓塞栓症,末梢血管障害および心膜疾患などのまったく新しい病態が出現しつつある.
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