特集 今こそ知りたい!—過敏性肺炎の“勘どころ”
序文
今こそ知りたい!—過敏性肺炎の“勘どころ”
岡本 師
1,2
,
宮本 篤
3
1東京科学大学呼吸器内科
2東京科学大学長寿・健康人生推進センター
3虎の門病院呼吸器センター内科
pp.500-501
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200777
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過敏性肺炎(hypersensitivity pneumonitis ; HP)は,1932年にCampbellらによって「農夫肺」として初めて報告され,症例の蓄積とともに,次第に免疫学的な機序で発症するという疾患概念が確立されてきた.その後近年に至るまでその診断は各主治医の判断にゆだねられ標準化されなかったが,2020年に米国胸部学会(ATS)より初めてHPの国際ガイドラインが発表され,2022年には日本でもこれに準拠した診療指針が策定された.これにより,間質性肺炎を安易に特発性とせず,HPを適切に診断することの重要性が一層強調されることとなった.
本特集「今こそ知りたい! 過敏性肺炎の“勘どころ”」では,診断や治療の最前線で押さえておきたい重要なポイントを,最新の知見に基づいて整理した.特に,呼吸器内科医,放射線科医,病理医などによる多職種合議(multidisciplinary discussion ; MDD)の重要性が広く認識されるなか,その標準化や方法論には課題が残されている.本特集の第Ⅰ章では,経験豊富な専門家たちが,MDDの意義や実践方法について症例を交えて議論し,診断から治療の検討までの流れを包括的に紹介する.
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