特集 結核・非結核性抗酸菌症—エキスパートが教える 実臨床に役立つ最新知見
序文
佐々木 結花
1
1結核予防会 複十字病院
pp.532-533
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200181
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本邦において,古の時代,結核は国民病であった.経済,文化,戦争,地域性など,様々な背景によって姿を変え,現在でも多くの人々が影響を受けている.ロベルト・コッホが結核菌を発見して以来,多くの医学者が結核撲滅に対し努力を続け,診断,治療,予防対策を確立してきた.医学の発展のなかで結核病学が果たした役割は大きい.
現在,本邦では結核が減少し,臨床上「遭遇しないであろう領域」と思われていないか,不安となる.30年以上結核に携わると,頭が結核だらけとなってそのように思うのかと自省するが,「予防可能例」の患者さんを目にすると,また,その不安が頭をもたげてくる.
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