特集 呼吸器画像診断—エキスパートの視点
Ⅲ.間質性肺疾患,またはびまん性肺疾患
特発性間質性肺炎の画像診断から病理診断は推測できるか?
小倉 高志
1
,
武村 民子
2
,
伊藤 春海
3
1神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科
2日本赤十字社医療センター病理部
3福井大学高エネルギー医学研究センター
pp.70-81
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200009
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Point
・臨床症状と,時間経過を考慮すれば特発性間質性肺炎の画像診断から病理診断はかなり推測できるが,確定診断のためには外科的肺生検が必要な症例がある.
・高齢者(>70歳)で,牽引性気管支拡張を伴うPossible UIPパターンを認めた場合は組織学的にUIPパターンと推測できる可能性がある.
・IPFの画像診断において小葉・細葉辺縁分布の線維化をとらえることは重要であり,早期から上肺の胸膜下に小葉辺縁分布の線維化(perilobular fibrosis)の所見を認める.
・間質性肺炎の診断においては,一時点の画像から病理を推測するだけでなく,経過を追った画像の観察が必要である.
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