Japanese
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医療問題
脳神経外科診療における医療保険と介護保険
Health Insurance and Insurance for Care and Assistance for the Elderly in Japanese Neurosurgical Consultation
稲村 孝紀
1,2
,
池崎 清信
1
,
伊野波 諭
1
,
中溝 玲
1
,
福井 仁士
1
1九州大学大学院医学研究院脳神経外科
2甘木中央病院
pp.367-370
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902527
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I.はじめに
平成12年4月より日本に介護保険制度が導入された.この制度は,40歳以上の国民が介護保険料を収め,これを財源として老人の介護にかかわる費用を支出することを目的としている.この保険の給付を受けられる第1号被保険者は,疾患にかかわらず一律65歳以上であるが,「老化に伴う疾患」によって介護を必要とする40歳以上の人々も,第2号被保険者として給付の対象となっている.「老化に伴う疾患」には脳卒中・パーキンソン病をはじめとする神経疾患が含まれており,われわれが扱う脳血管障害も対象となっている.
医療は社会保障制度の給付に基づいて成り立っており,社会制度の変遷とともに変化しないと質の良い医療は提供できなくなる.医療および介護の質を保つために,施設側はある程度十分な報酬を得なければならない一方で,介護を必要としている患者・家族はできる限り費用を抑制しようとする.われわれ脳神経外科医も,脳神経外科疾患の慢性期診療で医療保険と介護保険をどのように使い分けるかを理解しなければならない.今回,現在の医療保険と介護保険での施設側と患者側の収支を検討した.
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