扉
統合化の潮流
柴田 家門
1
1東邦大学脳神経外科
pp.6-7
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902500
- 有料閲覧
- 文献概要
平成10年8月30日から9月5日までベルリンで開かれた国際核医学会議に出席し,この期間に近隣2国を訪れる機会があった.今回最も強く印象づけられたのが『ヨーロッパの統合』が急速に進んでいることであった.入りくんだ地形の中に,警備兵が常駐していた国境線の検問所の柵が取り払われていた.なんのチェックもなしに自由に,かつての国境線を越えられる現状はすでに統一欧州連合圏が動き出していることを目の当たりに感じさせた.通貨の統合も年内には行われるといわれているが確実に行われるであろうと思われる.
東西ドイツの統合からほぼ10年を経た今回,ベルリン市内でまず感じたことは一見して,かつての壁を境として町並みの景色がちがう(これは主としてビルの古さ,汚さによるものときづいたが)ことと,旧東ドイツ地区全地域にビル建設・土木工事が盛んに行われていることであった.4日間のドイツ滞在で統一ドイツが着実に再生しつつあるのを感じた.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.