特集 産業保健の国際動向
国際産業保健活動の潮流
小木 和孝
1
1財団法人労働科学研究所
pp.159-165
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901437
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産業保健活動をすすめる国際間の連携や協力は,1980年前後からとみに活発になった.それとともに新しい潮流が形成されてきたとみることができる.1990年代になって,そうした新しい動きが各地域を通じて共通して定着してきた感がある.
国際協力は,当然に,国際場面で資金をえて実現できることをすすめる立場で取り組まれる.だから,必ずしもそれぞれの国内の動向をそのまま反映しているとはいえない.しかし,国際協力で取り上げられる諸点は,行政や現場で必要だと合意した優先事項に当たる.その意味で,国際協力の内容は,現実のニーズにこたえる活動のなかで重要なものに集中するものである.国際基準や国際規格が,国ごとの動向を裏付ける内容をもつのと同じように,それ以外の国際協力活動も,優先度の高い共通の動きをそれなりに鮮明に示していく側面がある.この点は,産業保健分野でも,同様とみてよい.そこで,この分野の国際基準・国際協力プロジェクトなどの主なトレンドをまとめてみることにしたい.そこから,わが国を含めた産業保健現場のすすめ方についてのヒントが得られそうだ.
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