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脳血管攣縮は,脳神経外科医なら誰でも悩まされている病態であるにもかかわらず,この病態の全容を理解し説明するために必要な知識は誠に膨大である.血管平滑筋の収縮機序はまだまだ闇の中であり,教科書的には非常に有名なこの病態も研究を重ねれば重ねるだけ疑問が深まる,というジレンマにおちいっているというのが現状であろう.そのような,ある意味でつかみ所のない脳血管攣縮と言う病態に対して,基礎的研究,臨床の両側面からreal timeな世界のconsensusを与えよう,というのが3年毎に開催される本カンファレンスの目的であり,意義である.回を重ねること7回,今回は,世界でもトップランクの観光名所であるスイスのインターラーケンで,Bem大学Seiler教授の会長のもと,ヨーロッパの伝統と格式が随所に現れるカジノクルサールというコンベンション会場にて催された(Fig.1).
さて,インターラーケンと言う場所について,スイスを観光されたことのある方にことさら説明を加えるまでもないのではあるが,一応,一通りの説明は必要であろう.インターラーケンはチューリッヒ国際空港から列車で約2時間半,スイスのちょうど臍の部分に位置する.その名の通り街は氷河に削られた2つのフィヨルド湖の間に鎮座し,かつヨーロッパで6番目に高い美峰ユングフラウ(Fig. 2)を背景に纏い,その絶好のロケーションから,冬は多くのスキーヤーの基地として,夏は世界の避暑地として人々の声が途絶えることがない.また,誰もが知る,ヨハンナ・シュピーリ原作,「アルプスの少女ハイジ」のまさに舞台になった,急峻な岩肌の合間にひしめき合う小さな家々が間近に見えるその場所でもある.世界的には,もっとも標高の高い鉄道駅,ユングフラウヨッホ駅が特に有名であり,そこに至るアプト式鉄道は鉄道マニアでなくとも一度は耳にしたことがある言葉ではなかろうか.
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