読者からの手紙
ウィリス動脈輪閉塞症の診断基準について
小宮山 雅樹
1
1大阪市立総合医療センター脳神経外科
pp.481
発行日 1999年5月10日
Published Date 1999/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901728
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ウィリス動脈輪閉塞症は,わが国で発見され,かつ最も多くの患者を有していますが,未だその原因は不明であります.厚生省特定疾患ウィリス動脈輪閉塞症調査研究班によりその診断基準が定められていますが,その診断基準の中の脳血管撮影所見で「頭蓋内内頸動脈終末部,前及び中大脳動脈近位部に狭窄または閉塞がみられる」の項目が曖昧であることを指摘したいと思います.つまり,(1)内頸動脈終末部,(2)前大脳動脈近位部,(3)中大脳動脈近位部の3部位のうち,すべてに狭窄または閉塞を認める必要があるのか,または1つの部位でもその診断基準を満たすのか,が曖昧であると思います.このことは,ウィリス動脈輪閉塞症調査研究班の研究報告書1)にある英文の診断基準では,
Stellosis or occlusion at the terminal Portion ofthe internal carotid artery and at the proximalportion of the anterior and middle cerebral arter-ies.
となっていますが,同じ研究班から出された論文2では,
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