トピックス
フリーラジカル
山崎 昇
1
1浜松医大第三内科
pp.1296-1297
発行日 1988年10月1日
Published Date 1988/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204751
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生体内で代謝過程において反応する分子または原子中の電子は,通常2個ずつ対(pair)を成しており,互いに相手の磁気モーメントを打ち消し合うように組み合わさっている.しかしながら,生体内の化学反応系においてもしばしば,最外殻電子軌道上に不対電子(unpaired electron)を持った中間生成物,すなわちフリーラジカル(free radical)が生成することが知られている.
最近,図1のごとくフリーラジカルと細胞傷害,特に脳虚血,心筋虚血/再灌流,放射線障害,炎症,発癌,加齢などの病態におけるフリーラジカルの作用が注目されており,フリーラジカルが引き起こす細胞傷害を防止し,治療の目的でフリーラジカル消去剤(free radical scavenger)の探求が進められている.
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