読者からの手紙
三次元画像立体視における交差法,平行法同時表示
金城 利彦
1
,
豊見山 直樹
1
1琉球大学脳神経外科
pp.1055
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901308
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近年,ヘリカルCTやMRI,さらにDSAによる頭蓋骨,脳,血管の三次元画像表示が容易となり,外科的解剖が詳細に把握でき,手術前のイメージリハーサルにもきわめて有用となっている.この三次元画像を二次元平面で表現して立体視する方法としては,角度を変えて撮影して並べられた2枚の右の画像を左眼で,左の画像を右眼でみる「交差法」と,右眼で右,左眼で左の画像をみる「平行法」の二つがあるが,交差法で立体視できる人が多いようであり,最近出版された太田らの三次元画像アトラス1)も交差法を用いている.しかし,最近の3Dブームで国内で出版されている本の大部分が平行法を用いている.私も平行法の方が容易であり,上記の太田の本では立体視するのに困難を感じている.
そこで3D-CTで作成した画像を3枚並べて交差法,平行法いずれによっても立体視できるように試みた.図の症例は斜台から右錐体先端部におよぶ骨破壊性の腫瘍(平滑筋肉腫)である.右の中頭蓋窩硬膜外からアプローチして腫瘍を摘出したが,operative viewで3D-CT画像を作成した.左と中央の2枚で交差法,中央と右の2枚で平行法で立体視できる.必ずしもすべての人が交差法,平行法両者で立体視できるとは限らないので,このように交差法,平行法いずれによっても立体視できるように3枚プリントして表示することは有用と考える.
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