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連載 定位脳手術入門(4)
マイクロレコーディング
Microrecording:A Guide to Stereotactic Brain Operations
橋本 隆男
1
Takao HASHIMOTO
1
1信州大学医学部第三内科
1Third Department of Medicine,Shinshu University School of Medicine
キーワード:
microrecording
,
microstimulation
,
thalamus
,
globus pallidus
,
subthalamic nucleus
Keyword:
microrecording
,
microstimulation
,
thalamus
,
globus pallidus
,
subthalamic nucleus
pp.297-303
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100335
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Ⅰ.マイクロレコーディングの目的
マイクロレコーディングは,先端の記録部(非絶縁部)が小さくインピーダンスの大きい微小電極を用いて単一神経細胞(ニューロン)あるいは単一神経線維の活動電位を細胞外記録で記録するものである.一方,インピーダンスがやや小さい準微小電極を用いるセミマイクロレコーディングは,多くのニューロン活動の複合電位を記録する.マイクロレコーディングであれセミマイクロレコーディングであれ,定位脳手術でニューロン記録を行う目的は,ターゲットとその周辺のオリエンテーションを得ること(マッピング)が第一である.現在の脳画像の解像度では,画像所見のみに基づいて破壊術や電極植え込み術を行うことは誤差が大きい.脳画像に電位記録を併用することにより,確実にターゲット座標を把握でき十分正確な手術が可能となるのである.セミマイクロレコーディングは,ニューロンが集まった部位(神経核)とニューロンのない部位(神経線維束,白質)とを複合電位の量で識別するのに対し,マイクロレコーディングは単一ニューロンあるいは神経線維の発火パターンから神経核と白質の識別のみならず神経核内の機能構造も判別できるのでより詳細な情報が得られる.
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