Japanese
English
総説
下垂体手術と性腺機能
Effect of Pituitary Surgery on Gonadal Function
有田 和徳
1
,
富永 篤
1
,
魚住 徹
1
,
栗栖 薫
1
Kazunori ARITA
1
,
Atsushi TOMINAGA
1
,
Tohru UOZUMI
1
,
Kaoru KURISI
1
1広島大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Hiroshima University School of Medicine
キーワード:
Pituitary adenoma
,
Surgery
,
Gonadal function
Keyword:
Pituitary adenoma
,
Surgery
,
Gonadal function
pp.387-395
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901016
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I.はじめに
下垂体腺腫に対する手術療法の目的は,腫瘍摘出によって有意の症状を軽快し,可能ならば根治を達成し,再発を防ぐことにある.しかし,下垂体腺腫が良性の腫瘍であり,一般に患者の生命予後が良好であることを考慮すれば,その治療原則は患者の長期のquality of lifeに配慮したものでなければならない.この観点に立って,われわれは従来から下垂体腺腫の手術においては下垂体機能の温存・回復を企図して,出来る限り愛護的な手術を行って来た.今回は従来検討されることの少なかったプロラクチノーマ以外の女性下垂体腺腫症例と男性下垂体腺腫症例において,このような配慮のもとに施行された手術が性腺機能に与える影響について検討する.最初に自験例の成績を紹介し,さらに下垂体腺腫例における性腺機能障害の頻度と原因,手術による回復の可能性,回復を左右する因子等について文献を紹介しつつ概説する.
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