扉
自己点検評価
長尾 省吾
1
1香川医科大学脳神経外科
pp.623-624
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436900469
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大学設置基準が大綱化され,大学独自のカリキュラムが組めるようになった.当大学においても,医学部に進学して早い時期に医学への情熱を失う落後者をどうするか,これからの医療事情,社会ニーズの多様性に順応できる幅広い教養と人間性をどのように育てるか,個人の能力や技能をより伸ばす教育,従来の知識伝授型から問題解決型へ判断力や創造力を養う魅力ある教育システムはどのようにしたら良いかなどいろいろ模索されている.
このように医学教育について各大学の自主性が大幅に認められつつある現状では,その結果に対する自己点検評価が大切であることは当然である.しかしこの評価の基準が一般教育,基礎医学,臨床医学の問で誠に多種多様であり困惑してしまう.例えばごく身近な例として,学会発表,論文数,入院患者,手術件数など数字で表わされるものは客観的にそれぞれ評価の対象となりうるが,講義教育のような数字で表わされない膨大な努力の結果はどのようにして評価されるのであろうか.学生の人気投票によるという笑い話がでるほど戸惑ってしまう.
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