--------------------
編集後記
村山 雄一
pp.982
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204308
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
9月を過ぎ,新しい生活様式の試行錯誤が続いていますが,医学生の教育への影響は大きく,大学人として学生の感染リスクを抑えつつ,効果的な外科系教育のあり方はどうすべきか模索しています.学会の開催形式もweb方式が一般化し,会議もZoomで事足りるようになり,ある面仕事の効率化が図られたプラスの変容もありますが,新しく臨床実習が始まる学生たちに効率化だけではない,生身の患者さんの診療をオンラインの時代にどう組み込んでゆけばよいか,大学の枠を超えた横断的な情報共有が必要であると頭を悩ませています.
本号手術手技では,慶應義塾大学の戸田正博先生による「脳神経外科と耳鼻科合同による経鼻内視鏡頭蓋底手術」が掲載されています.脳神経外科は神経系の外科領域として耳鼻咽喉科をはじめ眼科,形成外科,整形外科などの複数の専門科とかかわりがあり,小型の聴神経腫瘍や脊柱管狭窄症などの疾患ではそれぞれの診療科で診療が完結できるため,時には競合にもなり得ます.患者さんにとって最大の利益である質の高い安全な治療は何かを明確にすれば,それぞれの科の得意なところを生かすことができ,患者さんにとって大変有益な治療チームとなります.お互いに尊敬の念を持って競合ではなく,協業することの大切さを示された内容です.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.