--------------------
編集後記
村山 雄一
pp.578
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203079
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今年4月からいわゆる日本版NIH,日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)が発足しました.アベノミクスの「3本の矢」の3番手,成長戦略の中核の一つとして注目されているのが医療改革です.産業としての医療の活性化を促すため,医療機器の審査期間の大幅短縮や大学の研究者の持つ技術を後押しする事業化支援の推進など,その具体的な形がより見えてきました.こうした制度の改革は革新的新規医療を生み出す土壌となりますが,その核となるのはわれわれ医療従事者の斬新なアイデアであり,そのアイデアを実現するための継続性のある情熱が不可欠です.
本誌6月号では,森田明夫教授が「夢を求めて」と題した扉で,夢を持ち,それを実現するための情熱の重要性とMentorとの出会いの大切さを熱く語られています.森田教授の夢を実現するための不屈の精神を感じ取れる一編です.横須賀公彦先生らの総説,「神経内視鏡下血腫除去術—現状とこれからの展望—」では,手術適応や手術手技についてわかりやすく解説されているのみならず,本邦で開発された透明シースの有用性についても言及されています.また種井隆文先生らの「中枢性神経障害性疼痛に対する薬物治療と外科治療—脊髄刺激療法の現状と課題—」と題した総説では,これまで内科的治療が主体だったこの分野に脊髄刺激療法(SCS)が導入されたことによる新たな展開と可能性を示しています.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.