書評
—新井信隆:著—マクロ神経病理学アトラス
水澤 英洋
1
1国立精神・神経医療研究センター
pp.70
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204136
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●エキスパートもハッとさせられる新しい発見がいくつもある
このたび,東京都医学総合研究所神経病理解析室長の新井信隆先生の手になる本書を拝読する機会を得て,まさに,その迫力と美しさに息を呑んだ.本書の帯にある「大迫力…!」の文句のとおりであった.写真は極めて美しく,必要に応じて破線で輪郭を示したり指示線を活用したりして,かゆいところに手が届く工夫がなされている.長年,神経病理学の教育に尽力してこられた先生の面目躍如である.先生は2年間の研修の後は病理学の道に入られた神経病理学のプロフェッショナルであり,片や私は脳神経内科医でありながら,研究手法として神経病理学を学んだ者であるが,日本神経病理学会では親しくお付き合いをさせていただいた.
病の人を診るときに,まずよく診て(視診),触って(触診),あるいは叩く(打診)など,目・耳・手などを動員して病気を探り診断に導く.神経病理学もまさに同様であり,自らの眼をもって脳や脊髄をその場で観察し,取り出して観察し,割を入れて内面・断面を開いて観察することが大切である.
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