Japanese
English
特別寄稿 脳神経外科コントロバーシー2019
(1)てんかん外科における頭蓋内脳波の適応
(1)Indication for Invasive Monitoring in the Surgical Treatment of Epilepsy
岩崎 真樹
1
,
高山 裕太郎
1
,
飯島 圭哉
1
,
木村 唯子
1
,
村岡 範裕
1
,
金子 裕
1
Masaki IWASAKI
1
,
Yutaro TAKAYAMA
1
,
Keiya IIJIMA
1
,
Yuiko KIMURA
1
,
Norihiro MURAOKA
1
,
Yuu KANEKO
1
1国立精神・神経医療研究センター病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, National Center Hospital, National Center of Neurology and Psychiatry
キーワード:
epilepsy surgery
,
intracranial electroencephalography
,
EEG
,
subdural electrode
,
depth electrode
,
stereoelectroencephalography
,
SEEG
Keyword:
epilepsy surgery
,
intracranial electroencephalography
,
EEG
,
subdural electrode
,
depth electrode
,
stereoelectroencephalography
,
SEEG
pp.5-14
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203890
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Ⅰ.はじめに
モントリオール神経研究所で,Penfieldらによっててんかん外科の術前精査としての頭蓋内電極留置術が初めて行われたのは,1939年に遡る2).当初は硬膜「外」に電極が留置されたが,その後は硬膜下電極が主流となった.一方,定位的深部電極留置によるてんかんの術前評価は,Talairachらによって1950年代に導入された30).それから現在まで,両者の技術を用いた頭蓋内脳波測定は,てんかん外科の術前精査におけるgold standardであり続けている18).
てんかん外科の領域において,頭蓋内電極留置は汎用される手技であり,新しいデバイスの登場で低侵襲化も進んでいる.一方,画像診断の進歩や経験の蓄積により,切除計画に電極留置を要さないケースも増えている.頭蓋内電極留置の適応には施設間の差が大きいが,おおむね切除術を行う症例の20〜40%に施行されている18).頭蓋内電極留置は,全身麻酔と開頭・穿頭を要する侵襲を伴う手技なので,適応は常に慎重であるべきである.本稿では,頭蓋内脳波測定の基本的な方法や理念から,その適応と限界について紹介する.
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