扉
私の「Project X」—次の時代を担う若者へのメッセージ
堤 晴彦
1
1埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター
pp.559-560
発行日 2018年7月10日
Published Date 2018/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203771
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私は,脳神経外科(以下,脳外科)から“脱落”した人間である.“神の手”を持つ脳外科医でもなければ,一流の研究者でもない.日常診療に追われる1人の臨床医に過ぎない.それゆえ,この原稿依頼が来た時,はじめはお断りすることを考えていた.ただ,一方で,脳外科を志した医師のすべてが,難しい手術を数多く行う脳外科医になれるわけではないし,世界に通用する研究者になれるわけでもない.そう考えると,脳外科を選択した若い医師に対して,私のような生き方があることを伝えることも意味がないわけではないと考え,受けることにした.
はじめに書かせていただく.若い頃,私が描いた私の「Project X」とは,1人でも多くの救急患者を助けるシステム・組織を作り上げることであった.そして,私はこれまで多くの時間をその組織作りに費やしてきた.そんな話である.
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