Japanese
English
特集 高次脳機能のマッピング
1.脳神経疾患患者脳機能局在のPETによる解析
Mapping of Brain Function with Positron Emission Tomography for Pathophysiological Analysis of Neurological Disorders
成相 直
1
Tadashi Nariai
1
1東京医科歯科大学脳行動病態学講座脳神経機能外科学
1Neurosurgery, Department of Brain Medical Science, Graduate School, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
positron emission tomography
,
cerebral blood flow
,
receptor
,
motor mapping
,
language mapping
,
epilepsy
Keyword:
positron emission tomography
,
cerebral blood flow
,
receptor
,
motor mapping
,
language mapping
,
epilepsy
pp.107-116
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901719
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はじめに
近年の各種の非侵襲的脳機能計測法の進歩は著しく,陽電子断層法(positron emission tomography:PFT),機能的MRI(functional MRI:fMRI),脳磁図(magnetoencephalogram:MEG)などによる,正常あるいは疾患時の脳機能局在に関する多くの報告が行われるようになった。非侵襲的に脳機能局在を明らかにしていく手法といえば,ある課題を遂行するときの神経活動を反映した反応を計測する脳機能賦活試験がまず思い浮かぶ。神経活動に伴い脳局所で増加する脳血流23,49),をPETを用いた15O標識の水による脳血流測定の反復によって計測する手法の開発7)がこのような非侵襲的脳機能計測の幕開けであり,しばらくはPETの独壇場でもあった。しかし1990年代に入ってfMRIによる脳機能局在描出法が開発され21,35),同じく神経活動に伴う血流変化を基盤としながら放射性薬剤を使用せず極めて非侵襲性の高い計測が可能である点からより広く用いられる手法となり,脳機能局在研究手段の主体はfMRIにシフトしてきたといってよい。
一方,ヒトの脳機能局在を明らかにする手法はこのような安静時と活動時の脳血流変化計測を主体とした脳機能賦活試験のみではない。
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