扉
記憶の真空パック
田宮 隆
1
1香川大学脳神経外科
pp.291-292
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203498
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香川県に住んで既に15年になる.現在もうどんを食べながら,地域医療の充実に精を出しているつもりである.特に若い世代の学生や研修医の先生に香川で医療を続けてもらうために,できることは「まんでがん」と本誌「扉」(36巻6号)に書いて,既に10年近くが経過した.その1つとして,学生クラブの顧問としてもできるだけ時間を割いて学生たちとの交流にも努めている.昨年の夏は,第68回西日本医科学生総合体育大会が隣の徳島県で行われたので,私も久しぶりに硬式テニス部の顧問として応援に行ってきた.焼け付くような暑い夏の炎天下に,一日中試合や応援に熱中している部員たちの姿をみて,熱いものが込み上げてきたが,私自身も学生時代,硬式テニスのクラブ活動にのめり込みすぎた時代があったように思う.
今でも,その当時の記憶を,時々思い出す.特に,悔しかったことは鮮明に甦ってくる.音楽や写真は「記憶の真空パック」であり,瞬時に昨日の出来事のようにその時代に戻ることができる.先日,実家を整理していると,高校,大学時代の硬式テニスの試合のドロー(組み合わせ表)を発見した.私が適当に押し入れにしまっていた物を,母がきちんと整理して残してくれていたようだ.一瞬のうちに,青春時代に戻ってしまった.あの頃の厳しい練習,練習なくして強くなれないと先輩に指導され(しごかれ),授業をサボって練習し,練習した後は,どうやって試合に勝つか,仲間と遅くまで歓談し(酒を飲み)…….テニスの試合に勝つための英単語として,その当時から集めてきた言葉を少し紹介したい.また,これを機に少し覚えやすいように整理した.
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