Japanese
English
総説
地域連携と脳神経外科
Regional Management of Stroke Care and Neurosurgery
中川原 譲二
1
Jyoji NAKAGAWARA
1
1国立循環器病研究センター脳卒中統合イメージングセンター
1National Cerebral and Cardiovascular Center, Integrative Stroke Imaging Center
キーワード:
stroke care
,
regional management
,
primary stroke center
,
comprehensive stroke center
,
regional comprehensive care system
Keyword:
stroke care
,
regional management
,
primary stroke center
,
comprehensive stroke center
,
regional comprehensive care system
pp.1055-1070
発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203182
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Ⅰ.はじめに
医療における「地域連携」は「機能分化」と一体であり,脳神経外科が関わる地域連携は,国民病とも言える脳卒中(脳血管性障害)をはじめとして,多くの領域に及ぶ.また,脳神経外科は,わが国の専門医認定制度において19基本領域の1つとされ,診療の対象疾患は,脳卒中や脳神経外傷などの救急疾患,脳腫瘍に加え,てんかん・パーキンソン病・三叉神経痛・顔面けいれんなどの機能的疾患,小児疾患,脊髄・脊椎・末梢神経疾患などと幅広い.脳神経外科専門医は,これらの予防や診断,救急治療,手術および非手術的治療,あるいはリハビリテーションにおいて,総合的かつ専門的知識と診療技術をもち,必要に応じて他の専門医への転送判断も的確に行える能力を備えた医師とされている43).さらに,取り扱う対象疾患の特異性から,難病認定,身体障害認定,精神障害認定,介護認定,自立支援などを通じて,患者の在宅療養支援にも積極的に関与することが求められる.このように脳神経外科の診療は,急性期医療から在宅医療にも及ぶため,機能分化の進展に対応しながら地域連携体制を構築しなければならない.本稿では,「脳卒中地域連携」を取り上げ,今後の「地域連携」の向かうべき方向性,脳神経外科医が取り組むべき課題について考察する.
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