報告記
第9回世界脳卒中学会—(2014年10月22〜25日)
佐藤 光夫
1
1脳神経疾患研究所附属南東北福島病院脳神経外科
pp.168-169
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436202976
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2年ぶりとなるWorld Stroke Congress(WSC)は10月22〜25日の会期でトルコのイスタンブールで開催されました(写真1).ChairはオーストラリアのS. Davis教授で,開催国のK. Kutluk教授がCo-Chairを務め,学会場は新市街の金角湾に面したHalic Congress Centerでした.会場へはシャトルバスが運行されましたが,朝夕のラッシュ時には,タクシム広場と会場間は約30分程度の時間を要し,しかもバスはすし詰め状態で快適な学会参加とはいいがたい状況でした.
今回90カ国から2,360人の事前登録と1,442演題の応募がありました.初日は例年通り,Teaching Courseが開催され,夕方から開会式,その後,会場内で懇親会が行われました.2日目からは通常の口演とポスター発表,さらにメーカー主催のランチョンおよびイブニングセミナーが行われました.発表の全体的な傾向としては,虚血性脳卒中の臨床が中心で,画像診断や血管内治療,血行再建術,急性期管理,リハビリテーション,抗血栓薬による2次予防など多くのセッションが組まれていました.今回は新規抗凝固薬(NOAC)の発売を受け,心房細動とNOACの発表が多くみられました.各種NOACはいずれもワルファリンと比べ,虚血性脳卒中の発症率は非劣性を示し,一方,出血発症率は有意に低く,しかも致死的な大出血が少ないという報告が多くみられました.
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