Japanese
English
脳腫瘍の組織診断アトラス
(6)Meningiomas(髄膜腫)
Histological Diagnosis of Brain Tumors: (6) Meningiomas
山下 純宏
1
,
山嶋 哲盛
1
Junkoh YAMASHITA
1
,
Tetsumori YAMASHIMA
1
1金沢大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
Arachnoid villus
,
Meningioma
,
Classification
,
Light microscopy
,
Electron microscopy
Keyword:
Arachnoid villus
,
Meningioma
,
Classification
,
Light microscopy
,
Electron microscopy
pp.703-711
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436202861
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I.発生母地
髄膜腫はその発生早期より硬膜に付着しているため,古くは硬膜より発生するとされていた.ところが,1864年グラスゴーの解剖学者Clelancl3)が髄膜腫は組織学的にパキオニー顆粒に似ていることを指摘した.後年,Schmidt15),Cushing5)あるいはBailey1)らも本腫瘍はクモ膜絨毛のarachnoid cell clusterに似ているとした.したがって,髄膜腫の発生母地がクモ膜絨毛であることは今日,教科書的な事実となっている.
クモ膜絨毛は髄膜腫の発生母地であると同時に脳脊髄液の吸収部位でもあるため,その形態と機能については,Weed19)以来多数の研究がなされてきた.しかし,その多くは実験動物を対象としたもので16),ヒトの材料を用いた研究はきわめて少ない18,22,23).
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