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I.はじめに
脳虚血に対する血流再開後の脳機能の回復は主に脳虚血の程度とその持続時間により決定されると言えるが,実際に脳虚血の程度を正確に知ることは極めて難しい.特に脳血流量の低い場合には僅かの脳血流量の違いが脳組織の虚血からの回復に大きな影響を与える.しかしながら脳血流量の測定法には限界があり,そのわずかの違いを捉えることは不可能と思われる.また同程度の脳虚血でも虚血前の脳組織の状態で受ける障害も異なる.これに対し,脳の生理学的機能は脳血流量や脳代謝等の障害の程度を統合したものとして表現され,その障害は脳虚血の程度を総合的に極めて正確に反映すると思われる.そして近年これらの脳の機能は臨床的に脳波や体性感覚誘発電位,聴性脳幹電位等として容易に知ることができる.
脳神経外科領域でも脳組織の虚血が予想される手術に際しては,それをより安全に行うためにこれらの機能がモニターされつつある.しかし,これまでこれらの機能の脳虚血時にみられる変化についての検討はみられるが1,2,6,10,15,17)虚血からのreversibilityについての詳細な検討は少ない3,12,13).
Several kinds of monitoring systems to evaluate cerebral function have been introduced such as somatosensory evoked potential, visual evoked potential and auditory brain stem response. Although these monitoring systems are employed in practice in neurosurgical operations, the reversibility of these cerebral functions after ischemia insult is little known. In this study the reversibility of direct cortical response (DCR) as wellas EEG from global ischemia was investigated using total 60 cats.
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