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I.はじめに
内頸動脈(IC)系と椎骨脳底動脈(VB)系は後交通動脈(Pcom)を介して互いに交通している場合がほとんどで,Padget25)によれば剖検上Pcomが欠損しているのは3%であるという.しかし血管撮影上のPcomの形態は,embryonic typeといわれる発達したものから,血管撮影では造影されないものまでさまざまあり,Pcomの形態が内頸・椎骨脳底動脈系の血行動態に及ぼす影響は大きいと思われる.またIC系とVB系を連絡する異常血管として胎生期遺残血管が知られており,これらと脳動脈瘤の合併が多く報告されている1,6-8,10,17,22,24).VB系には発生学的に窓形成が多いことが知られており12,25,29,31),それらに脳動脈瘤が合併しやすいとの報告もみられる9,21,23).先にわれわれは,中大脳動脈における分岐形態ならびに奇形と動脈瘤との発生関連性を検討し,形態的要素および奇形のいずれも動脈瘤発生に直接及ぼしている影響は少ないと報告した16).今回は内頸動脈本幹,椎骨脳底動脈系について動脈瘤発生に形態的要素ならびに奇形がどの程度関与しているのかを検討したので報告する.
In a series of 704 aneurysm patients who were admitted to the Research Institute for Brain and Blood Vessels-AKITA during the last 9.5 years (from October, 1974 to March, 1983), angiographic features of the internal carotid-vertebrobasilar system and related vascular anomalies were analyzed with refer-ence to the site of aneurysms.
The age distribution was from 20 to 78 years (mean age 53 years) and the men to women ratio was 1:1.1. The total number of the aneurysms was 866.
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