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I.はじめに
前大脳動脈(ACA)は発生学的には内頸動脈の2終枝の1本であるprimitive olfactory arteryから生じ,20−24mm胎児(40日目)の頃より内側の枝が主幹となって,終脳の発達に伴い大脳半球内側面を灌流するようになる12,18).また,叢状だった前交通動脈も同じ頃はっきりとした血管となって,左右の前大脳動脈を大脳縦裂基底部にて連絡する12,18).この時期に前交通動脈近傍の血管奇形,前大脳動脈水平部(A1部)の低形成や無形成などの異常が発生するとされる.前交通動脈近傍は脳動脈瘤好発部位の一つであるが,母血管となるべきA1部には形態的なvariationが多く,また以前より一側A1の低形成,無形成例には動脈瘤が合併しやすいとの報告がある1,5-7,22,24,25).同部の血管奇形としてazygos ACAや3本のA2部分よりなる,いわゆるtriple ACA2)などが知られており,A1部の窓形成も報告されている.そしてこれら奇形と動脈瘤が合併しやすいとする報告も多い3,4,6,9,10,19).先にわれわれは,中大脳動脈系13)および内頸・椎骨脳底動脈系14)について血管の分岐形態ならびに奇形と脳動脈瘤発生との間の因果関係を検討してきたが,今回は前大脳動脈系の形態ならびに奇形と脳動脈瘤との関係を検討し,興味ある所見を得たので報告する.
In a series of 704 aneurysm patients who were admitted to the Research Institute for Brain and Blood Vessels-AKITA for the last 9.5 years (from October, 1974 to March, 1983), angiographic features of the anterior cerebral arteries and related vascular anomalies were analyzed with reference to the site of aneurysms. The age distribution was from 20 to 78 years (mean age 53 years), and the men to women ratio was 1:1.1. The total number of aneurysms was 866.
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