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Ⅰ.はじめに
頭蓋内圧が亢進すると血圧が上昇し呼吸が不整となり脈搏数が減少し,意識障害を伴って生体は急速に死の転帰をとることは古くから知られている,Kocher9)は1901年すでにこのような経過を主として臨床症状から4期に分類し最近ではLangfitt11)がやはりvital signsの動きから同様4期に分類した.池山6)は犬における急性実験から,脳循環動態と脳機能の指標としての脳波の変動とを組合わせて詳細に検討し,次のごとき4期に分類した.すなわち頭蓋内圧を漸次上昇させて行くと脳血流が一定に保たれる時期(Ⅰ期)を経て,次いで脳血流は軽度減少しはじめる(Ⅱ期).更に頭蓋内圧を上昇させると脳血流減少は血圧上昇反応の出現により代償され脳波には徐波の混入が多くなる(Ⅲa期).頭蓋内圧を更に上昇させると血圧上昇反応によっても脳血流が維持できなくなり脳波も平坦化し(Ⅲb期),ついに動物は末期(Ⅳ期)に至り死亡する(Fig.1).
次いで坂野1)の検討によればこれらのうちⅢa期とⅢb期では脳血管反応性に差がみられ脳血管反応性を失う,Ⅲb期になると薬物あるいは減圧手技による治療効果が期待薄であることがわかった.
Four succesive stage of cerebral compression were defined by Ikeyama according to the alternations of cerebral blood flow (CBF) and cerebral function. The first stage (Stage Ⅰ) after acute increased intracranial pressure (ICP) is the compensatory period without any signs which suggests changes in cerebral hemodynamics, probably clue to the reduction of volume of the normal intracranial contents that accomodates the increased pressure.
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