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編集後記
吉峰 俊樹
pp.188
発行日 2014年2月10日
Published Date 2014/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102193
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日増しに夜明けが早くなってきました.政権が代わって1年余り,日本にも明るさが少しずつ戻ってきたようにみえます.さて,アジアの国々はどうでしょうか? まだ混乱と波乱,地域による差はあるものの,全体としては成長に向かって蠢動しているようにみえます.本号の「扉」には,このようなアジアの医療や脳神経外科について,河瀬 斌先生から「国境なきアジア時代の始動」をいただきました.世界で最も活発な国際的活躍をされている脳神経外科医である河瀬先生は,現在,世界脳神経外科連盟(WFNS)の首席副会長(First Vice President)を務めておられます.これはWFNSの中でも最も多忙で重要な役職だといわれています.昨年の韓国でのWFNS総会のように,必要に応じて会長の代理も務めることになっています.本稿では複雑な色合いのなか,一部で進歩が著しいアジアの脳神経外科の状況が生き生きと紹介されています.医療は国の経済に依存して発展し,社会の医療制度に従って育ち,特有の文化がこれに彩りを添えるように思います.これからのアジアの時代,アジアの文化の中で発展する脳神経外科の将来を想像するのも楽しいことです.
大宅宗一先生と松居 徹先生による総説「傍鞍部腫瘍の自然歴と治療適応の検討について」も必読の力作です.社会や医学の進歩に従い,無症候性疾患の治療はますます大きな課題といえますが,本邦の医療レベルや医療環境はその自然経過の検討にとりわけ好適な条件にあります.今後ともこの種の検討が重ねられ,結果を世界に発信し,脳神経外科の進歩に貢献したいものです.
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