読者からの手紙
「Lumboperitoneal shuntに特有な術後合併症:脊髄側チューブ硬膜貫通部の脇漏れによる硬膜外腔への髄液漏」の論文(39(5):497-504)について
渡辺 新
1
1都留市立病院脳神経外科
pp.363,364
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101704
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貝嶋光信先生らの「Lumboperitoneal shuntに特有な術後合併症:脊髄側チューブ硬膜貫通部の脇漏れによる硬膜外腔への髄液漏」(No Shinkei Geka 39(5):497-504)を大変興味深く拝読いたしました.本論文でも指摘されているように,特発性正常圧水頭症患者に対して,脳実質への直接的な手術侵襲がないL-P shuntを選択する施設が増えています.
一方で,特発性低髄液圧症候群(脳脊髄液漏出症)についての知見が増加しています.L-P shuntはある意味で,人工的に脳脊髄液漏出症に近い状態を作っているとも言えると思います.圧可変式バルブによって,術者の意図した圧力に維持されていればよいのですが,本論文の症例のように脇漏れによる脳脊髄液の漏出が起こる症例や,設定圧が低すぎる場合には脳脊髄液漏出症と同様の症状を来す可能性があると考えます.
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