書評
パーキンソン病治療ガイドライン2011--日本神経学会●監修,「パーキンソン病治療ガイドライン」作成委員会●編
澁谷 統寿
1
1新古賀病院脳神経内科
pp.1103
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101575
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医療には事実と論理に基づく科学性と,経験や伝承に基づく非科学性が混在しており結果を予想できないことが多く,医師の経験則がいくら豊富であっても必ずしも患者にとって良い結果をもたらすとは限らない.経験的に最も尊重されていることは,患者さんと真面目に向き合って対話し,いかに信頼関係を築くかである.臨床医は専門性(自律性)の立場から,一人一人の患者の選択すべき道を示し,臨床現場ではどのような場面に遭遇しても適切に判断し対処できる能力を養っておくことが必須である.その過程で根拠に基づく治療ガイドラインの利用は医療の質の標準化(均一化)に有用であり,その普及は社会における医療の在り方を問い直すものである.
『パーキンソン病治療ガイドライン2011』は「抗パーキンソン病薬と手術療法の有効性と安全性」と「クリニカル・クエスチョン」の2編構成となっている.前者は2001年以降のエビデンスを踏まえ,薬剤や手術療法の有効性,安全性,臨床使用での注意事項や今後の検討課題についてガイドライン作成委員会の現在の考えが簡潔明瞭に記載されている.
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