扉
脳神経外科医の養成とリクルート
松村 明
1
Akira MATSUMURA
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科脳神経外科
pp.541-542
発行日 2011年6月10日
Published Date 2011/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101446
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ここ数年,脳神経外科の研修および医師の卒後臨床研修全体にかかわることが多くなってきている.初期臨床研修制度については小川彰先生,嘉山孝正先生はじめ諸先輩方のご尽力によって将来の専門診療へのステップとしての研修の改正案がまとまり,昨年度から実施されている.それまでは全員が必修として内科,外科のほかに小児科,産婦人科,精神科を研修しなければならなかったが,プログラムによっては4週間しかなく,まるで学生実習なみのカリキュラムだという声も聞かれた.今回の改正によって上記3診療科は選択必修ということになり,必ずしも全員が回る必要がなくなった.その代わりに選択科目は増えて,研修医が将来の自分の専門に役立つ診療科を選択できるようになり,幅広い診療能力を有する専門医養成のカリキュラムが見えてきたところである.
私どもの施設でも初期研修プログラムの改正にあたり,これまでのレジデントへのアンケートやヒアリングなどを参考にして研修委員会で検討した結果,将来どの診療科に進むにしても初期研修中に1度は外科系,小児科系を回ることを義務化した.また,放射線診断,病理を初期研修のうちに回ることも奨励し,基本的な画像診断能力を身につけたり,自分で必ず病理組織をみる癖をつけるための基本的能力を獲得させようという目標も設けた.
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