書評
『初めて学ぶ脳神経疾患の漢方診療―おもな漢方処方と治療報告』―宮上 光祐●著
松村 明
1
1筑波大学・脳神経機能制御医学
pp.32
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101087
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本書の序文にも書かれているが,「西洋医学」を学んできた者にとって「漢方医学」は個人の体質・特徴を重視した全人的医療であることからやや理解しにくい面がある.特に全身的な診察の後に「証の決定」を行ってから薬剤を決定していくプロセスは西洋医学にはないものである.
一方,日本では「漢方」は古くから取り入れられており,西洋医学のEvidence based Medicineとは異なり,Experience based Medicineであるとも言われている.すなわち,個人の医師の経験に基づいて患者さんへの投薬を決定し,病態の変化に応じて薬の処方をきめ細かく変えていくような手法なども使われている.
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