医療経済
特定機能病院における入院医療の包括評価(Diagnosis Procedure Combination : DPC)の概要について(第10報)―2004年度改定の概要と包括評価点数の推移(対2003年度比較)
安達 直人
1
1大西脳神経外科病院
pp.652-654
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100407
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2004年度は2年ぶりに社会保険診療報酬が改正され,大きく3つの基本的考え方が示されている.
1)従来どおり国民皆保険体制とフリーアクセスの原則を維持すること.
2)厳しい経済社会情勢のもと,医療の安全と質を確保し,その中でも特にDPC,小児医療・精神医療を重点評価すること.
3)上記の評価より国民が納得できる改定とし,改定率は±0%とすること.
このように現在および将来の経済情勢を視野に入れ,医療行政は包括評価方式払いとしてのDPCに対して期待を寄せるのみならず,その幅広い導入に力を入れていくであろうと考えられる.実際に2004年からは特定機能病院だけでなく,DPC調査協力医療機関として一般病院からも手上げ方式でその試行が始まった.
本シリーズの第9報までは,2003年度版DPCにおける脳神経外科領域の診断群について具体的点数比較を示しながら解説してきた.本報では,2003年度版と比較しながら2004年度改定により実際どのくらい点数が変化したかをお示ししたい.全体の社会保険診療報酬改定率は±0%と公表されているが,DPCにおいては明らかに減点になっている印象を受ける.あくまで仮定として計算しているが,2003年度と2004年度では同じ診断群でもかなりの点数差が出る疾患群もあり,DPC全体として減点改定となっていることを示唆するものである.
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