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I.はじめに
ミトコンドリアの機能異常に起因するミオパチーは,Ernsterら(1959)とLuftら(1962)1)によりはじめて報告され,骨格筋から抽出されたミトコンドリアが"loosely coupled"の状態にあることが明らかにされている。次いでShyら(1964,1966)2)により,電顕的に異常なミトコンドリアを有するミオパチーの存在が指摘され,"ミトコンドリア・ミオパチー"の名称が提唱された。異常ミトコンドリアを有する筋線維はGomoritrichrom変法による組織化学ではragged-red fiberとして認められ,臨床診断が容易となった。さらに最近はミトコンドリアの内膜に存在する電子伝達系を構成する諸酵素の欠損例が見出されるに及んで,電顕的な異常ミトコンドリアとの関係が問題となっている。ragged-red fiberを電顕で観察すると,筋鞘下にミトコンドリアの集積が認められる。巨大なもの,異常に長いものなどが混在し,クリステの数も増加している。特徴的なものは結晶状封入体であるクリステ内に形成され4層の膜が1単位となっており,超薄切片の薄切の方向によって格子状にみられることもある3)。この結晶構造はミトコンドリアの内膜と外膜との間に形成されることもある。1個の巨大ミトコンドリア内に多数の結晶構造が含まれることもある(図1)。
その他,クリステが増殖し同心円状の配列を有するもの,基質内に電子密度の高い粗大な顆粒を有するもの,あるいはほとんど無構造の基質を有する球状のミトコンドリアなどが観察される。これらの異常ミトコンドリアは必ずしもミトコンドリア・ミオパチーに特有なものではなく,多発性筋炎や筋強直性ジストロフィーにも見出されることがある。
Ultrastruetural localization of mitochondrial electron transport enzymes, complex I and III was accomplished by immunocytochemistry on methacrylate embedded muscle sections. Low reactivity and low temperature polymelization protocols for glycol methacrylate make it an ideal plastic for postembedding ultrastructural immunocytochemistry. Results showed a very distinct and dense labelling of complex I and III respectively in the inner membrane of mitochondria. Whereas a few gold particles were present in matrix. Labelling on the paracrystalline inclusions was substantially weaker in abnormal giant mitochondria, but gold particles were extensively confined on the membrane of cristae surrounding the inclusions.
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