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はじめに
痛覚の制御,すなわち鎮痛をもたらす方法として,鎮痛薬の投与,末梢あるいは中枢神経系の電気刺激,神経ブロックその他の外科的手術など種々の方法が用いられる。鎮痛発現の仕組みについての理解は,脊髄後角およびその延長と考えられる三叉神経脊髄路核尾側亜核とその周辺網様体ならびに視床における痛覚情報の伝達・制御機構に関する神経生理学的・解剖学的知見の蓄積,薬理学的研究によって導かれた内在性オピオイドペプチドの発見などにより近年かなり深まった。また,動物実験で得られた知見をヒトに応用し,ヒトでのデータを動物実験の基準に置くという関係がますます密接になることが期待されている。しかし,痛覚のような主観的な感覚体験をヒトとは言語によるコミュニケイションのできない動物を用いて研究する場合には慎重な配慮が必要である。本稿では,まず鎮痛試験法についての筆者らの考え方を述べ,ついで,紙数の関係もあるのでオピオイド(モルヒネ,エンケファリンなど)の鎮痛発現機序を中心に筆者も属している高木研究室での最近までの知見をまとめてみたい。
Abstract
Methodology of analgesic tests in animals andrecent advances on the mechanisms of action of opioids were reviewed, Intracerebral microinjec-tion and microelectrophoretic studies revealed the sites for opioid analgesia to locate brain stem,particularly the nucleus raticularis paragiganto-cenflularis (NRPG),the nucleus reticularis giganto-cellularis (NRGC),the nucleus raphe magnus (NRM) and periaqueductal gray (PAG),and spinal dorsal horn.
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