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はじめに
神経系の研究は,発生生物学の研究の進歩の過程で,歴史的に特別に重要な位置を占める。このことは,ただ単に次の二つの事実を想定するだけで充分であろう。発生学史上,最も重要な発見の一つであり,現在なお研究が続けられている誘導の現象は,Hilde MangoldとHans Spemannによって,1921年に神経板の誘導という,神経発生の最も早い過程に関係した現象である。また,組織培養の父とも呼ばれるRoss G. Harrisonが1907年に,初めてカエル胚の若い神経胚から,予定神経域の小片をカエルのリンパ液で培養に成功したのは,神経芽細胞の軸索の成長を生きたままで観察したいという要望からであった。
W. M. Cowan1)は,脳の各部域の発生に関して,次の八つの主要な過程が順を追って発現することを指摘している。
Abstract
The basic phases of vertebrate development and the fundamental methodologies in developmental biology have been analyzed with a particular reference to neurogenesis.
1. Cell proliferation, differentiation, morphogenesis and pattern formation are considered to be main phases of vertebrate development. The characteristics of the biological time in development, along which the above-cited developmental phases proceed, have been analyzed.
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