増刊号 消化器・一般外科医のための—救急・集中治療のすべて
序
田邉 稔
1
1東京医科歯科大学 肝胆膵外科学分野
pp.3
発行日 2016年10月22日
Published Date 2016/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211339
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消化器・一般外科医は良・悪性疾患に対する予定手術ばかりでなく,多くの救急疾患を扱わなければならない.その範囲は,急性虫垂炎や急性胆嚢炎などのcommon diseaseから,重症外傷や劇症肝炎など生命を脅かす疾患まで多岐にわたる.また,定時手術であっても開胸・開腹を伴う食道癌手術や,術後重症合併症を併発したときには,高度な集中治療を要するケースが珍しくない.集中治療や救急医療分野は,一部のハイボリュームセンターでは専門診療科として独立しているものの,国内の多くの病院では消化器・一般外科医がその役割を兼務しなければならないのが現状である.したがって,消化器・一般外科医にとって救急・集中治療は避けて通れない分野であり,その熟達度は外科医としての実力の重要な要素と言える.
本増刊号では,消化器・一般外科医がかかわる数多くの救急疾患に加え,呼吸・循環管理や重要臓器不全対策など,重症患者を救命するための基本的な事項を網羅した.また,各チャプターの執筆を,消化器・一般外科,集中治療,救急医療の第一線で活躍するエキスパートにお願いした.内容的には単なる読み物にとどまらず,臨床現場で実践的に役立つように図表を多くし,外科専門医を目指す若手医師ばかりでなく研修医にもわかりやすいように技術や情報をコンパクトにまとめていただいた.
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