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人間や動物が空間で音の流れ出る源をつきとめることを音源定位という。脳における音源定位の機構はいままで主に人間による心理学的方法と実験動物による電気生理的方法で得られた結果をもとにして論じられてきた(Erulkar,1972;Jeffress,1974;Starr,1974)。人間は左右の耳間に生じる音の強さの差(ここでは強度差と呼ぶ)と,音の到着時間の差および音の位相差(ここでは両方とも時差と呼ぶ)を使って音源の両耳を含む水平面(ここでは左右方向と呼ぶ)における位置を定めることができる。強度差は頭が音の影を作るからで,時差は音の伝達する距離が左右の耳で違う時に生じる。聴覚系がこれらの両耳間音差をどのように処理しているかという問題があるが,これに関した数々の説はだいたい2種類に分けられる,すなわち細胞群論と単一細胞論である。フォン・ベケシー(von Bekesy,1960)とホール(Hall,1965)は刺激された聴覚神経細胞の数とその反応の度が左右で違い,それが両耳間音差の量を表わすと仮定した。いっぽうジェフレス(Jeffress,1948)によると,音の左右の位置は特殊な回路内にある単一細胞の場所として表わされていて,この細胞は音源が左右の一定の場所にある時にだけ反応する。音源が左右一定の場所にあるということは一定の両耳間音差があるということである。
Abstract
The barn owl (Tyto alba) can localize noises containing frequencies (5~8 kHz) accurately in both azimuth and elevation. The accuracy of localization decreases as a function of the target position relative to the midline of the face. Theowl uses both ears to determine the target position without head movement. The cues for localization are binaural intensity difference for elevation and "on-going" time difference for azimuth. The use of binaural intensity difference for elevation is due to the asymmetrical positions of the ear openings.
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