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特集 第15回脳のシンポジウム
脳研究のあり方
基本的態度について
Basic attitude of research-minded man—From personal experience in neurology
楢林 博太郎
1
Hirotaro Narabayashi
1
1順天堂大学医学部脳神経内科
pp.1130-1133
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905230
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このことについては先程植木先生からお話がございましたように,非常に大きなトピックでありまして,トップバッターとしていったい何からお話ししたらいいのかなかなか難しいと思います。日頃私がそれとなしに感じていること,あるいは教室の若い人とビールでも飲んだときにお話をするようなことを申し上げたいと思います。
たしか10年前に故時実教授の司会で同じようなテーマでのシンポジウムがございましたときに,私は「脳のtonic functionとphasic function」ということで,人の脳の働らきには,そういう層構造があるということのお話をしたことを覚えております。その考えは現在でも変わらないのですが,私自身は,限られたテーマ,すなわち人の不随意運動について,あるいはてんかんについて脳の深いところにある構造に正確に細い手術針を刺してその部の神経細胞の働らきを記録分析し,また刺激や電気焼灼を行なって治療をする,いわゆる定位脳手術の領域の仕事をしてまいりまして,それに伴なう臨床神経生理学的な解析に興味を持ってきたわけであります。
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