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I.大脳半球優位概念の発展と「劣性」半球の症状学
「劣位」半球non-dominant hemisphere(以下ndHと略)の概念は,そのcounterpartである優位半球dominant hemisphere(以下dHと略)のそれとともに,大脳半球優位cerebral hemisphere dominance(HDと略)の概念に関連したものであることはいうまでもない。
半球優位の概念は,歴史的には周知のごとく,失語の研究史(浜中−43)とともに発展,成立したものである。失語が左優位半球損傷によって出現することを示唆する記載は,古代ギリシャのHippocratesの医書や,18世紀イタリアのMorgagni(1762)の臨床解剖学書にも見出されぬわけではないが,当時の諸家が失語と左半球損傷の関連性をどの程度まで自覚的に理解していたかは明らかではなく,これについての確実な知識の出発点はやはりM.Dax(1836/65)と,「人は左半球で語る」(1865)と述べたBroca(1861/65)の発見—Dax-Brocaの法則—であってそれ以後言語に関する左利脳gaucherie cérébral(Baillarger,1865)について語られるようになった。
Zusammenfassung
Zuerst werden die Begriffsentwicklung und die Forschungsgeschichte der Symptomatologie der "nicht-dominanten" Hemisphäre seit Jackson (1864/76) im Zusammenhang mit der Frage der cerebralen Dominanz dargestellt.
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