Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
フランスのDax. M.(1770〜1837)は1800年11月,以前に騎兵隊長であった男と知り合った。この者はサーベルによって左頭頂部に負傷を受けてから言葉の記憶が障害されるようになった。Daxはその後20年以上にわたって同じような症状を呈する40例以上の症例を検討した。そして,1836年に言語記憶の障害(失語症)が左大脳半球損傷によって生ずることを示したといわれている(Dax,1836,1865)。
Daxの研究やその後のBroca(1863)の研究は失語症が左大脳半球損傷で生ずることを示しただけでなく,左半球が健全な状態では言語をつかさどっていることを推測させた。たとえば,Broca(1865)は,左大脳半球損傷で失語が起こり,右大脳半球で失語が生じないということから,"人は左大脳半球で語る"と述べた。このように,右大脳半球あるいは左大脳半球の損傷例の観察は,左半球はどのような働きをしており,右半球はどのような働きをしているかを推測する方法として,もっとも旧くから,そしてもっとも頻回に用いられてきた方法である。
Abstract
The split-brain patients offer special advantages for the study of hemispheric lateralization in that it is possible to measure and to compare the positive performance of each hemisphere.
A review of the literature on cerebral lateralization based on the split-brain studies was presented.
Several studes on split-brain patients proposed that the left hemisphere may be specialized in some kinds of processing, for example, combinatory feature analysis. However, the data which support these hypotheses are not well accumulated.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.