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生体アミンが下垂体前葉ホルモンの分泌に影響を持つことはよく知られており,最近非常にたくさんの研究が行なわれているが,まだよくわかっていない。それは,これらの作用が,下垂体のホルモン分泌細胞自体に働くのか,向下垂体ホルモン(RH・IH)が放出される正中隆起で互いに干渉するのか,神経終末での前シナプス抑制か,または,視床下部のRH・IH分泌細胞の膜へ直接働くのかは不明である。アミンはRH・IH分泌細胞に入力を送る中枢の各部位に働いており,さらに,シナプスを介して伝達物質として働くか,局所ホルモンとして細胞膜に働くのかもよく知られていない。同様に後葉ホルモンの分泌もアミンの影響を受けていることが知られている。
本稿では,まず,下垂体前葉・後葉ホルモンに及ぼすアミンの影響を述べ,ついで,アミンの抑制ホルモン作用として確からしい,ドーパミン(DA)のプロラクチン抑制作用の可能性について述べ,最後に,循環系との関連について述べる。これは,循環系の調節にはカテコラミンが関係し,循環系の各種受容器からの求心性入力を受け自律神経系の出力として,アミンを分泌し,血管の収縮や心臓拍動の変化により調節を行なっている。視床下部から分泌される抗利尿ホルモンの循環系からの影響の動態を調べてみると,アミンの動きと非常に似ていることが知られている。
Abstract
Recently aminergic control of pituitary secretion has been a popular research topic. Although many physiological and pharmacological evidences have been acumulated in this field, role of each bio-genic amines is conflicting and inconclusive.
In this paper, role of biogenic amines on pituitary secretion is discussed briefly from the recent review works.
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