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解説 大脳皮質視覚領におけるシナプス可塑性
第2部 脳内カテコールアミン系の果たす役割
Catecholaminergic control of the visual cortical Plasticity
笠松 卓爾
pp.111-131
発行日 1979年4月15日
Published Date 1979/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903311
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Ⅰ.背景
私は,中枢視覚系の細胞活動が,非視覚性の入力によっても大きく左右されている現象に,年来興味をもっている54,56)。ことに注意をひくものは,覚醒・睡眠を問わず,速眼球運動(saccades)に同期して,動眼系および中枢視覚系に現われる時間経過の速いインパルスである。これは,橋動眼中枢に生じ,上行して視覚系に至るもので,速眼球運動の結果として二次的に起るものではないと考えられている。この中枢性インパルスの存在は,外側膝状体や視皮質におかれた粗大電極で簡単に記録されるPGO波(ponto-geniculo-occipital wave)6,13〜15,52,83,86)あるいは動眼波(eye movement potential)13,14,48,102)として,捕えられる。このインパルスはまた,Helmholtzの提唱した遠心性信号(Efferenzkopien)または添加放電(corollary discharge)107,124)の一例と考えられる。
さて,レセルピンは神経終末内でモノアミンがシナプス小胞に取り込まれる過程を抑制すると考えられている。
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