Japanese
English
特集 神経ペプチド
下垂体後葉ホルモン—神経分泌細胞の電気生理学的研究
Postcrior pituitary hormones: Electrophysiological studies on neurosecretory neurons
山下 博
1
,
稲永 清敏
1
Hiroshi YAMASHITA
1
,
Kiyotoshi INENAGA
1
1産業医科大学第一生理学教室
1Department of Physiology, School of Medicine, Univcrsity of Occupational and Environmenual Health
pp.401-411
発行日 1983年6月10日
Published Date 1983/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905502
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
バゾブレッシンおよびオキシトシンは古くから知られている下前体後葉ホルモンである.これらのペプチドが最近興味を持たれているのは,古典的な機能すなわち,バゾプレッシンは抗利尿ホルモン(ADH)として腎での水の再吸収に,オキシトシンは乳汁分泌を調節するだけでなく,これらのペプチドが伝達物質や修飾物質として脳や脊髄の神経回路に働いている可能性が示唆され始めたからである。
後葉ホルモンを分泌する神経分泌細胞は,ほとんど視床下部の視索上核(SON)と室傍核(PVN)にあり,軸索を下垂体後葉あるいは正中隆起に送っている。そのためこの系はペプチドの生理学的機能の研究に非常に適している。それは,下垂体後葉を電気的に刺激し,逆方向性に神経分泌細胞を同定できること,ペプチドの放出機構が調べられること,免疫組織化学で細胞を同定することができることなどである。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.