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特集 精神科領域におけるレセプター機能の研究の進歩
ヒト血小板におけるモノアミン受容体機能—うつ病血小板におけるモノアミン受容体刺激性細胞内カルシウム濃度の検討
Function of Monoamine Receptors in Human Platelets with Special Reference to the Pathophysiology of Affective Disorders
加賀谷 有行
1
,
三国 雅彦
1
,
山本 秀子
1
,
黒田 安計
1
,
西川 徹
1
,
高橋 清久
1
Ariyuki Kagaya
1
,
Masahiko Mikuni
1
,
Hideko Yamamoto
1
,
Yasukazu Kuroda
1
,
Toru Nishikawa
1
,
Kiyohisa Takahashi
1
1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第3部
1Division of Mental Disorder Research, National Institute of Neuro-science, NCNP
pp.155-160
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902998
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1960年代に降圧薬のレゼルピンによりうつ状態が引き起こされること,モノアミン酸化酵素阻害剤に抗うつ効果があることが明らかになり,躁うつ病のモノアミン欠乏仮説3,18)が提唱されるようになった。その後,うつ病者の髄液中の5-HIAAが低値であること,うつ病者死後脳のセロトニン含量が減少していること,抗うつ薬にアミン再取り込み阻害能やモノアミン酸化酵素阻害能があることよりセロトニン欠乏仮説が強く支持されるようになった。このように躁うつ病の生物学的成因として,中枢神経系のアミン伝達異常が想定され,それについての研究が,数多く行われてきたが,研究が進むにつれて,このセロトニン欠乏仮説に一致しない研究結果も少なからず報告されるようになった。
その後,Aprison,Takahashiら1)により躁うつ病のセロトニン受容体過敏仮説が提唱されて以来,躁うつ病の生物学的研究の主流は,モノアミン,特にセロトニン受容体測定へと移り,現在も多くの研究が行われている。
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