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はじめに
中枢神経系の悪性腫瘍という場合には,一般にはグリオーマと転移性脳腫瘍が含まれる。転移性脳腫瘍の手術適応は,原発巣が治療されており,頭蓋内転移巣が単一の場合に限られるとするならば,治療の原則はグリオーマに準ずる。しかも最近ではCTスキャンによれば,多発性のことが多く,手術の対象例は減少している。そこでここではグリオーマについてのみ述べる。
グリオーマの外科的治療の歴史は1884年の英国のBennett and Godleeにさかのぼる。その後,Macewen,Horsley.Cushingらの先達によって1930年頃までに,近代脳神経外科の基礎がつくられたが,手術手技の基本は現在でもなお原則的には生きている。しかし,最近では全身麻酔や輸血の技術が発達し,術中頭蓋内圧亢進をコントロールするために,ステロイドやマンニットール,さらに過呼吸や低血圧法も行なわれるようになった。さらに術後放射線治療,化学療法,免疫療法も併用されるようになった。したがって,グリオーマの治療成績を単に外科的治療にのみ限って判断することはできない。
Abstract
Five hundred and thirty-four cases of gliomas, treated in the First Surgical Department and Department of Neurosurgery, Kyoto University Medical School, from 1941 through 1976 were retrospectively analysed with a particular atten-tion to the operative mortality and postoper-ative survival. The gliomas were subdivided into, 1) supratentorial glioblastoma, 2) supra-tentorial astrocytoma, 3) cerebellar astrocytoma, 4) oligodendroglioma, 5) ependymoma and 6) medulloblastoma. Brainstem gliomas were exclud-ed in this study because they were non-sur-gical.
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