Japanese
English
特集 睡眠と意識障害
睡眠と覚醒水準に対する向精神薬の影響
The Effect of Psychotropic Drugs on the Sleep and Levels of Awareness in Cats
山口 成良
1
,
近沢 茂夫
1
,
安藤 次郎
1
,
竹島 俊雄
1
,
武内 徹
1
Nariyoshi Yamaguchi
1
,
Shigeo Chikazawa
1
,
Jiro Ando
1
,
Toshio Takeshima
1
,
Osamu Takeuchi
1
1金沢大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Kanazawa Univ. School of Med.
pp.677-685
発行日 1971年4月30日
Published Date 1971/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904669
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慢性に脳内に電極を植えこんだネコを使つて,ポリグラフィ的にネコの睡眠・覚醒周期に対する向精神薬の影響を検討し,つぎのごとき結果を得た。
1.NitrazepamおよびDiazepam静注後,微睡期の占める割合が増加し,逆説睡眠期が減少する。
2.ImipramineおよびChlorpromazine静注後,対照とくらべて,いずれも徐波睡眠期が増加し,逆説睡眠期の発現が抑制されたが,特にImipramineでその傾向が強かつた。
3.Haloperidol投与では,覚醒期および微睡期の割合が増加し,徐波睡眠期および逆説睡眠期が減少した。
4.NitrazepamおよびDiazepam静注後の逆説睡眠期では,海馬律動波の周波数が対照と比較して約1/2に減じ,眼球運動や,顔面・四肢筋の攣縮(twitching)の発現頻度も対照時とくらべて少なく,その運動の程度も軽い。一方,Imipramine,ChlorpromazineおよびHaloperidol静注後の逆説睡眠期には,海馬律動波の周波数ならびに眼球運動その他のphasicな現象も対照とくらべて差がなかつた。
5.皮質の漸加反応(recruiting response)を平均加算すると,対照時とくらべて,向精神薬投与後の徐波睡眠期中,漸加反応の陰相波の振幅が減少するが,特にbenzodiazepine系薬物の投与の際,その影響が大であつた。
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