Japanese
English
特集 精神疾患と認知機能
精神分裂病の認知障害と覚醒水準との関係について
Arousal Level and Cognitive Dysfunctions in Schizophrenia
相川 博
1
,
豊嶋 良一
1
,
太田 敏男
1
,
岡島 宏明
1
,
松岡 孝裕
1
,
中西 正人
1
,
井上 清子
1
,
中江 雅人
1
,
古田 龍太郎
1
,
奥山 有里子
1
,
山内 俊雄
1
Hiroshi AIKAWA
1
,
Ryoichi TOYOSHIMA
1
,
Toshio OTA
1
,
Hiroaki OKAJIMA
1
,
Takahiro MATSUOKA
1
,
Masato NAKANISHI
1
,
Kiyoko INOUE
1
,
Masato NAKAE
1
,
Ryutaro FURUTA
1
,
Yuriko OKUYAMA
1
,
Toshio YAMAUCHI
1
1埼玉医科大学精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Saitama Medical School
キーワード:
Arousal level
,
Cognitive dysfunction
,
Schizophrenia
,
ERPs
,
Reaction time
Keyword:
Arousal level
,
Cognitive dysfunction
,
Schizophrenia
,
ERPs
,
Reaction time
pp.861-865
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902688
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はじめに
近年,精神分裂病の注意・情報処理障害について多くの関心が寄せられており,分裂病患者では種々の認知機能の障害があると考えられている。分裂病の認知障害の背景には神経伝達物質の異常,脳の形態学的変化や脳血流量の低下などさまざまな原因が想定されているが,1970年代から80年代にかけて分裂病の過覚醒説5,6,8)が唱えられ,分裂病の認知障害の原因の1つとして過覚醒状態が存在するためであるとの仮説が提唱された3)。
そこで我々は,生理学的覚醒水準の指標として休息や音刺激反応時間課題時にみられるα波帯域振幅の変化を,認知機能の指標として事象関連電位(ERP)の後期陽性成分(LPC)や反応時間を用いて,分裂病患者の覚醒水準と認知機能の関連について検討してきたので,その結果について述べる。
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