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特集 第8回神経化学懇話会
一般演題および討論
神経成長促進因子Nerve Growth Promoting Factor(NGF)の研究(その2)
Biological Activities of NGF from Bovine Submaxillary Gland on the Nervou System
中沢 恒幸
1
,
鈴木 恵晴
1
,
壁島 彬郎
1
,
小宮 英靖
1
,
猪股 丈二
1
Tsuneyuki Nakazawa
1
,
Keisei Suzuki
1
,
Akio Kabeshima
1
,
Hideyasu Komiya
1
,
Jyoji Inomata
1
1慶応義塾大学医学部神経科教室
1Dept., of Psychiatry, School of Med., Keio Univ.
pp.275-280
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904294
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I.はじめに
神経成長促進因子nerve growth promoting factor(NGFと略す)の研究はBueker1) のハツカネズミ肉腫同種移植による知覚・交感神経節の肥大をみたことから,以来L. Montalcini5)〜11),S. Cohen3) らにより主として蛇毒およびハツカネズミ顎下腺より抽出した促進因子につき探究され今日にいたつている。従来信じられていたことはNGFが齧歯類以外の哺乳動物にほとんど存在しないということであつた。
一昨年の本会でウシ顎下腺より抽出した蛋白がin vitroに培養した神経線維の成長を対照の3.7倍促進すること,その成長は単に神経細胞の代謝過程を経ない原形質のredistributionによる見かけ上のものではなく細胞内の蛋白生合成促進によつて起こるものであること,この蛋白の泳動像はさきにのべたハツカネズミ顎下腺の分画と一致することより,ウシ顎下腺よりの蛋白もNGFと名付けられることを報告した12)。
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